2022年から国家資格!?これからのドローン業界の発展…

政府は2022年にドローンの操縦に関する、

               免許制度(国家資格)を創設する方針を決めた… 

 

これまでドローンに関する民間資格はあるものの、国家資格は存在しませんでした。

そのため資格がなくても操縦スキルがあれば、仕事ができるという曖昧な状況でした。

政府は、レベル4(目の届かない有人地帯での飛行)実現を目指しており、

2022年にドローン資格に免許制を設けることでドローン産業は急速に発展していくことが予想されます。

ここでは、これからのドローン産業がどのような発展をしていくのか実際の取り組みを交えながら、解説していきます。

 

 

                                                1 ドローン×物流

ドローンでの物の運搬。近未来的でとても夢がありますよね。

しかし現実的には難しそう…

そう思ってる方も多いのではないのでしょうか。

実際にはそう遠くない未来かもしれません。

 

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ドローン物流のメリットはたくさんあります。

  • 過疎地域での物流困難者の支援
  • 緊急事のインフラ構築
  • 再配達の効率化
  • トラックドライバーの人手不足解消       

ドローン物流のCAGR(年平均成長率)は約93%と他分野と比べ群を抜いた高さになっています。

 
ドローン物流市場規模

2019年 15億円

2020年 15億円

2021年 19億円(予想)

2022年 92億円(予想)      出所 インプレス総合研究所作成

 

ここからは、各企業の取り組みと目標を見ていきましょう。

佐川急便 配達ドローン導入へ 22年度中

実証実験SGホールディングス(HD)傘下の佐川急便が、2022年度中にドローンを使った配達に乗り出す。ドローンの飛行条件の規制が同年度中にも緩和される見通しになったことを踏まえた。荷物の量に比べ配送区域が広い過疎地を抱える島根など3県で導入する。20年12月から小型荷物を携行した実証実験を行う。国内の人手不足に対応する。

引用元 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65784600S0A101C2TJ1000/

 

ANAHDがドローン配送 規制緩和で22年度にも

ANAホールディングス(HD)は2022年度にも、国内でドローン(無人小型機)を使った物流サービスに乗り出す。ドイツの新興企業が開発した輸送用ドローンを導入し、全国の離島や山間部に日用品や医薬品を運ぶ。政府が22年度にもドローンを飛ばす空域などの規制を緩和するのをにらみ、輸送インフラとしてのドローン活用が離陸する。

引用元 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC13DA10T10C21A4000000/

 

現状おもに行われているトラックでの輸送が全てドローンに置き換わるというわけではありませんが、ドローンとのそれぞれのメリットを生かし、状況に応じた使い方が出てくるのではないでしょうか。

 

 

2 ドローン×警備

ドローンは警備でも活用させることが出来ます。

AIドローンが不審者を発見、アラームで警告、逃げる不審者を猛スピードで追跡…

そんなSF映画のようなことが現実的に可能なのでしょうか。

 

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まずはメリットを解説します。

  • 固定カメラより死角の少ない監視
  • 立ち入りが危険な場所での監視が簡単に
  • 素早く現場に駆けつけることができる
  • 映像として重要な証拠にできる

ドローンを自立飛行で施設内を飛行させることにより巡視監視員として活用させることができます。

しかし状況によっては人間が駆けつけなければならない場合もあります。

人間の警備員と機械の共存が大事になってくるでしょう。

 

ドローン防犯市場規模

2019年 20億円

2020年 32億円

2021年 56億円(予想)

2022年 80億円(予想)       出所 インプレス総合研究所作成

 

企業の取り組み

ALSOK、AIドローンで巡回警備 

スカイツリーで実証実験障(ALSOK)は30日、東京スカイツリー内で、人工知能(AI)を搭載した警備用ドローン(小型無人機)による自動巡回警備の実証実験を報道陣に公開した。夜間や屋内の警備に活用し、警備人員の削減を図る。

引用元 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020073001150&g=eco

 

 

 

3ドローン×測量

測量の仕事は建築や土木工事では欠かせません。

土地の面積や位置・距離などを計測しデータを取り、製図化、分析、コストを管理する仕事です。

 

 

macro shot of gray and yellow surveyor

 

 

外の業務で現場を回った後に事務所内でデータ整理や製図作業を行うため

とても体力が必要な職種です。

 

その点で、ドローンと測量はとても相性がいいです。 

 

「航空レーザー測量」というセスナのような航空機にレーザー測量機を載せて測量する方法もありますが、ピンポイントでの計測できず、とてもコストがかかります。

ドローンを使用することでコストを抑えながら高精度な測量をすることができます。

 

メリットを解説します。

  • 人で測量するよりも圧倒的に素早く、航空機よりもコストを抑えられる
  • 図面や3Dモデルの作成が簡単
  • 測量による堕落・転落などの事故を防げるため安全性が高い
  • より近距離での計測が可能となり、データの解像度が向上

 

 国土交通省では、「ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もって魅力ある建設現場を目指す取組であるi-Construction(アイ・コンストラクション)を進めています。

引用元 i-Construction

 

 国土交通省はモノをインターネットで繋げる「i-Construction」という取り組みを進めており、生産性を向上させ土木業界の人手不足を解消する狙いがあります。

また、ドローン測量は国や自治体からの助成金を得られる事業でもあり、その点からも注目が集まっています。

 

土木・建築分野での市場規模

2019年 60億円

2020年 67億円

2021年 106億円(予想)

2022年 221億円(予想)    出所 インプレス総合研究所作成 

 

企業の取り組み

三井不動産、CVC出資先ベンチャー企業日本橋にてドローンの実証実験を実施
建設現場の3Dデータを取得し、進捗管理の効率化を目指す

三井不動産株式会社(本社:東京都中央区代表取締役社長 菰田正信、以下、三井不動産)は、三井不動産が設立したCVCファンド「31VENTURES Global Innovation Fund」を通じて出資しているベンチャー企業のDronomy Ltd.(ドロノミー)(本社:イスラエル、代表:Ori Aphek(オリ・アフェック)、以下、Dronomy)と、ドローンの実証実験を2017年7月に東京都中央区日本橋室町3丁目の建設現場にて実施しました。

 引用元 https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2017/0724_02/

 

4ドローン×農業

農家の大きな問題として「後継者がいない」「事業者の高齢化」「人手不足」が挙げられます。しかし、そのような問題をドローンが救ってくれるかもしれません。

 

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 農業用ドローンでできること

✔︎農薬散布 

✔︎ビニールハウスの洗浄 

✔︎農作物のデータ化 

✔︎収穫物運搬 

 

各地で野菜の防除にドローンを活用する取り組みはすでに始まりつつあります。

  • JAレーク大津(滋賀県)玉ねぎの防除にドローンを活用。
  • JAきもつき(鹿児島県)ドローンによる某害虫の防除作業の受託を開始。

 

ドローンの空撮画像をもとに、作物の生育状況をデータ化(センシング)することで適切な肥料を散布することができます。

 

また、自動運転化・複数編隊することで経験が浅い者でも高精度で効率的な作業が実現可能になります。

 

農林水産省では、「農業技術」と 「先端技術」を掛け合わせた「スマート農業」を推進しており、その一貫としてドローンの普及を進めており、国からの補助も手厚くあります。

農業用ドローンの導入に活用可能な補助事業

✔︎産地パワーアップ事業(平成30年第2次補正予算
収益力強化に計画的に取り組む産地に対し、計画の実現に必
要なICT・ロボット技術の導入等を支援(補助率1/2以内)
✔︎強い農業・担い手づくり交付金(令和2年予算概算要求)
農業者の経営基盤の確立や更なる発展に向けた農業用機械・
施設の導入を支援(補助率3/10以内)

引用元 農業分野におけるドローンの現状と今後の展望

https://www.soumu.go.jp/main_content/000691335.pdf

 

 

 番外編 スーパーシティ構想

2020年5月27日、参院本会議で「スーパーシティー法案」が可決されました。

 

皆さんは「スーパーシティ構想」という言葉をご存知ですか。

スーパーシティとは、第4次産業革命における最先端技術を活用し、未来の暮らしを先行実現する「まるごと未来都市」のことです

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内閣府地方創生推進事務局によると以下の10分野を構成要素としています。

✔︎移動     ヒトの自動輸送、IoT・データ活用による交通量・駐車管理など


✔︎物流     自動配送・ドローン配達による人材不足解消など

✔︎支払い     電子マネー・クレジットカードによるキャッシュレス決済の普及、
        魅力的なポイント還元制度の拡充など

✔︎行政      ワンストップ窓口・ワンスオンリー(情報の再提出不要)・
        ペーパーレスによる、各手続きの効率化など

✔︎医療&介護   ITを活用した遠隔診療、介護補助ロボットの実装、
        医療・介護ノウハウのAI分析・見える化による効率的な人材育成、
        ラストワンマイルの医薬品ドローン配達など

✔︎教育     オンライン教育による人材育成、パーソナルな行政データの活用など

✔︎エネルギー   スマートシステムを活用した、上下水・電力・通信インフラの
        最適管理など

✔︎環境・ゴミ   スマートシステムを活用した、リサイクルの一括管理によるCO²削減、
        資源保護の徹底など

✔︎防災&緊急   デジタルマップを活用した防災システムの構築、
        緊急時の自立エネルギー供給、自動運転救護車両・
        作業ロボットの実装など

✔︎防犯&安全   巡回ロボット、遠隔監視など

 

最後に

いかがだったでしょうか。

 これから、ドローン配達や自動運転などAIによる機械化が進んでいきます。また、新型コロナウイルスによる一連の騒動でリモートワークが普及し、第4次革命はもう目の前まで迫っており、働き方に大きな変化が起きようとしています。ドローンビジネスはその一部であり、これから急速に発展していくことが予想されます。

常に時代は進化し続けています。過去の考え方に囚われない、時代にあった働き方が大切だと自分は思います。

ドローン産業の今後の動向に期待しています。

免許制になる2022年がドローン産業にとって大きな転機になるでしょう。

いまからでも遅くありません、ドローンを学ぶのはいかがでしょうか。